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【専門家向けコラム】介護保険法の改正と生活支援コーディネーターの役割について

2016/05/20 14:02
介護保険法が大きく改正されます。多くは制度のスリム化ですが、新しく新設される制度があります。これが「協議体」と「生活支援コーディネーター」です。

主な動きとしては、介護保険事業者によるサービスを廃止し、自治体責任の下、市民同士の助けあいによって、これまでは事業者が行ってきたサービスを代行しようという流れに変わります。これらは簡単に進められることではありません。既存の地縁組織や民生児童委員などの既成組織と既存のボランティア団体やNPOの協議の場が必要となり、ここに「協議体」の登場する理由があります。 

その上に協議体は、その地域に足りないサービスをつくっていく必要があります。例えば、一人暮らし高齢者が多いのに食事サービスのボランティア団体がないとすれば、作る必要があります。それには地域の栄養改善で努力しているグループの中に人材がいるかもしれません。このような地域情報は協議体のメンバーが詳しいと考えられます。

この協議体は2層につくられます。第一層は市町村レベルでそのエリア全般を見渡す協議体であり、第二層は「生活圏」、だいたい中学校区レベルにおいて設置されるため、地域の力を総合して取り組むことになります。これをいくつかの自治体では「地域ケア会議」と混同している場合がありますが、地域ケア会議は1人の要介護・要支援者をどのように地域にある資源で支援できるのかを調整する会議であり、協議体とは全くことなる機構となります。

次に、「生活支援コーディネーター」についてですが、第一層に1人、第二層に1人=全国で1万人配置されます。そして、第一層のコーディネーターには年間800万円、第2層のコーディネーターには400万円の予算措置がされています。これは「福祉革命」と言ってもよいほどの大胆な新機構といえます。

まずは協議体で地域事情を把握し、足りないサービスの種類と量を確定します。この確保に協議体は努力するが、この任にあたるプロフェッショナルが生活支援コーディネーターにあたります。厚生労働省の「ガイドライン」には「多様な背景をもった人物」から選択することが望ましいとしています。

生活支援コーディネーターには、3つの役割があります。
1.地域に足りない社会的資源(ボランティア団体やNPO)を創造する。
2.社会的資源をネットワーク化する。
3.社会的資源と軽度者のマッチングを行う。

資格は全く関係ないため、人間が好きで、ボランティア団体づくりができる人であればよいと考えます。人生経験もそれなりにしている方がよいでしょう。我もが、という人がいればどんどん手を挙げて欲しいものです。

「地域の介護」は、これらの新たな動きに合わせた支援ツールとしてはじまりました。

    NPO法人市民福祉団体全国協議会 田中尚輝氏